コラム38:それってディレクターの仕事?「ディレクターはどこまでデザインに関与するの?」問題について考える

ディレクターはどこまでデザインに関与するか

こんにちはこんばんは、Webディレクターをやっています、えぞしかです🫎
簡単に自己紹介しますね。

個人事業主といっても企業とそのお客様が推進しているプロジェクトにWebディレクターとして参画する形が8割です。ひとつの企業に縛られず、いくつかの企業と契約しつつ長くお付き合いするスタイルが自分に合っています。働き方は自由とはいえ、お客様とのコミュニケーションありきなので、昼間働いています。

今回は「ディレクターはどこまでデザインに関与するの?」ということについて書きました。そもそもの前提として「Web制作でデザインの要件定義をするのか」という話から始めます。

目次

そもそもデザイン要件って固めていますか?

「要件定義」という言葉はよく耳にしますが、「デザイン」における要件定義をきちんとしていますか?この工程を省略しているプロジェクトも多いのではないでしょうか。省略しても最終的に成果物としてお客様と合意が取れればいいのですが、省略しないほうがアウトプットのズレが防げます。

デザインするにあたり何を定義するの?

デザインを始める前に、何を定義しないとデザインに着手しづらいのかを考えます。簡単な定義から踏み込んだ定義までありますが、以下のポイントをお客様と合意しておくとスムーズです。

  • 閲覧者に与えたい印象(情熱的、知的、温かみなど)
  • 世界観(トンマナ)
  • 参考になる画像やサイト

このあたり洗い出してもらうと、制作するサイトのメインカラー(ガチガチに固めるのではなくあくまで方向性として)なども決まってきます。

※聞き出した上で必ずそれに従うということではなく、すり合わせて「合意を得る」ということが重要です。

ここまでは多くのプロジェクトでも定義されているでしょう。

デザイン前に他に確認しておきたいこと

以下のポイントはどうでしょうか。

  • 画面幅・コンテンツ幅
  • 成果物の範囲(PCデザイン、スマホデザイン、タブレットデザイン、OGP画像など)
  • できないこと
  • お客様社内のデザインルール(レギュレーション)

画面幅・コンテンツ幅

大企業に多い印象ですが、「この画面サイズ以内で」と社内ルール(レギュレーション)があることも。デザイン提出後にそれが判明し、大きく調整が必要になったと嘆いているデザイナーさんもいました(∩´﹏`∩)
市場シェア率やプロジェクトの特徴から画面やコンテンツ幅を考えることもあるでしょう。

成果物

デザイナーから何をアウトプットして欲しいのかを明確にしましょう。「これも作ってもらえると思っていた」とならないように、初めに伝えることが大切です。

できないこと

デザイン提出後に「もっと遊び心を入れたい😉」「オリジナルイラストを入れたい(キャラクター作って!)🤤」「動画を組み込みたい(もちろん編集もよろしく!)😎」と言われることもあるあるな部類ではないでしょうか。そういう事案が”後から”発生しないように、できないこと(時間とお金をもらえればできること💸)を初めに伝えておくことをおすすめします。

プロジェクトにおけるデザインルール

「レギュレーション」と呼ばれるお客様社内のルールがあれば、先に提示してもらいましょう。


デザインに取り掛かる前に上記のことを定義しておくと、デザイナーは明確な指標に基づいて作業を進めることができます。後からの無限修正もなくなりますし、定義しておいて失敗だったということはまずありません。

で、ディレクターがデザイン要件定義しなくちゃいけないの?

アートディレクターがいるような規模でない限り、ディレクターがデザイン要件の定義をできた方が良いと考えています。「それってデザイナーの仕事じゃないの?」と思う人や「難しいな」と感じる人は、デザイナーにお任せしてもいいです。

ただし、デザイン要件定義をデザイナーにお願いする場合、その分のデザイナーの稼働を確保し、明確に役割としてお任せすることが重要です。※この役割分担はディレクターの仕事です

実際、そこまでデザイナーの稼働を確保できることは少ないんじゃないかなーっと思います。お客様と会話する機会が多く、専門用語を噛み砕いて話せるのはディレクターの方が得意なので、積極的に踏み込んでいきましょう🦵🦵

ディレクターもデザインがもたらす力を学ぶべき

(こうあるべき論はあまり好きではありませんが)デザインがもたらす印象や意味付けなどの基礎知識を持っていると、デザイナーやお客様とのコミュニケーションがスムーズになります。結果的にデザイン要件を定義することもできるようになります。

本で学ぶのも良いですが、まずはインターネット上でデザインの基本についてまとまった記事を読むことをおすすめします。基礎知識を持っているだけで、後々のデザインフィードバックでも大きく役に立ちます。

ところでワイヤーフレームは誰が作る?

ワイヤーフレームはディレクターが作成するのがいいかなっと思います。ワイヤーフレームは情報設計の一環であり、そういった意味では一種の「デザイン」でもあります。しかし、重要なのはワイヤーフレームに色を塗ったり、レイアウトをカッコよくすることではなく、情報の整理と構造を明確にすること。そこまで設計してデザイナーにお任せすると成果物の質が格段に上がります。

プロジェクトの特性によってはデザイナーにお任せしても良いですが、その場合もディレクター・デザイナーの役割を明確にしておくことが大切です。

デザイナーはオペレーターになってしまうのか?

ディレクターがデザイン要件定義やワイヤーフレーム作成を行うことで、デザイナーが単なるオペレーターになるのでは?という懸念もありますが、答えはNOです。デザイン要件定義という決められた枠と明確な指標があることで、デザイナーはその枠内で、且つ限られた時間で創造力を発揮し、より効果的なデザインを生み出すことができます。(と信じているし成果物に感動しなかったことは滅多にないです!)

まとめ

進行管理に特化したディレクターも重要な役割ですが、デザインに関する基本的な知識を持っていると、デザイナーやお客様とのコミュニケーションが円滑になり、より高品質な成果物を生み出すことができます。また、ワイヤーフレームの作成はディレクターが行うことで、情報の整理と構造を明確にし、デザイナーの創造力を最大限に引き出すことが可能です。

ディレクターがデザインの要件定義やワイヤーフレーム作成を行うことは、デザイナーを単なるオペレーターにするのではなく、むしろデザイナーの創造性を発揮させるための重要な工程となります。最終的には、ディレクターとデザイナー・エンジニア(今回書けなかった)が協力し、各々の役割を明確にすることで、より効果的でクリエイティブなプロジェクトを実現していきましょう。💪( ˆoˆ 💪)

3カラム専門のデザイン集作ったのでちょっと立ち寄ってみて

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コラムメンバー✍

えぞしかのアバター えぞしか 個人事業主のWebディレクター

職業:
Webディレクター(開発よりもマーケティングよりの制作が好き)/たまにデザイナー

経歴:
ライブチャットサイトの運営→フロントエンド/地域ビジネス・システム開発のWebディレクター/個人事業主(2019年〜)

出社:していない(フルリモート)
定休:水土日祝

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