こんばんはとこんにちは!宮嶋ひなでっす!
もしかしてその案件が思うように進まないの、クライアントからの信頼がないからなのでは…????(いきなりキッツイ)(残酷な現実)
WEB制作はクリエイティブだけでなく、クライアントに対するフロント業務も大きな割合を占めます。
どれほどAIが発達しても、どれほどリモートワークが進もうとも、ビジネスの最後は人対人。
クライアントに対する「ホスピタリティ」、一緒に考えてみませんか。
ホスピタリティってなーに?
まずは、ホスピタリティの意味から確認してみましょう!
ホスピタリティ(Hospitality)は、簡単にいえば「おもてなしの精神」を指します。サービス業全般で重要視されている価値です。
たとえば、超高級ホテルに旅行してるセレブリティな自分を想像してみてください。うやうやしくドアを開けてくれるドアマン。もちろん荷物なんか自分で持ちません。丁寧なフロントの接客、部屋もベッドもピッカピカ!!
こんなふうに、「キモチィーーー!!!」とか、「快適!好き!!」と感じてもらうための態度・行動・あるいは業界全般を指します。
これは「ホテル→客」のホスピタリティですが、客が喜び満足してリピーターになるという「客→ホテル」というホスピタリティもあります。
つまり、ホスピタリティが成立するためには相互に満足するという感情が必要なのです。
相互に満足感を与え合うことで信頼関係が生まれ、支え合ったり、共に何かを創造したりする「共創」の精神が大切なんですね。
我々WEBディレクターの仕事においても、「クライアントにサービスを提供して満足してもらう」という点で、ホスピタリティの精神は無視できないポイントになります。
たとえば、同じ値段・同じサービス・ほぼ同じような成果物を出してくる会社が、あなたのクライアントに「もっと安くサイト作りまっせ!」と声をかけてきたとします。そこであなたとクライアントの間に信頼関係がなければ、「じゃあ次はこっちの会社に頼んじゃおっかな^^」となるわけです。
フロント業務は、顧客業務。
「営業いるしぃー客との関係性なんて別に関係ないもーん」なんて言ってられないのですぞ!!!
というわけで、宮嶋と一緒に「WEBディレクターにおけるホスピタリティ」を考えていきましょう!!
お客さまは「WEBのプロではない」
h2、いや中見出しをご覧の方はこう思ったでしょう。
「何言うてんねん、当たり前じゃ」…と。
おっしゃる通り。当たり前なんです。WEB制作会社にサイト制作を依頼くださるのは、どなたもWEBのプロではありません。
そもそも、「自分でできないorやる暇がない」から、「プロに頼もう!!」となるわけです。
自分でできるなら誰かに頼もうとは思いません。
そして、自分でできないから、何にどれほどお金がかかるのか、工数はどんなもんなのか、見えてこないから不安になるのです。
だからこそディレクターは深夜に資料を作り、深夜にアジェンダを用意し、朝起きてからメールで流し、毎日のようにミーティングを行います。(STOP!✋深夜労働)
資料ひとつとっても、WEB系の専門用語を使っちゃうと、もしかしたら相手に通じないかもしれません。
WEB・IT業界に入りたての、新品ピカピカの自分を振り返ってみてください。
「ディレクトリ?」「HTTP?アナリティクス???」……頼む、日本語でしゃべってくれ!!!
そう。相手にとってわかりにくければ、どれほど大切なことを資料に込めても相手に伝わらないのです。そして、相手に伝わらない資料は、資料の役割を果たしているとはいえません。こんな状態では、信頼関係は醸成されないでしょう。
お客さまに安心感を持ってもらう。担当ディレクターに信頼を持ってもらう。そのために、ホスピタリティが必要なのです。
クライアントの性格を見極めろ!
ここでひとつ、昔話を。私が、かつて担当させていただいていたお客さまのお話です。
ご依頼内容はコーポレートサイトのリニューアルです。そのお客さまは高齢のとてもお元気な社長さんで、ご自分でもメール対応されていました。しかし、パソコン作業といえばそれくらい。サイトのお知らせなどの更新作業は、事務の方が行っていました。
どれくらいのリテラシー具合なのか?というと、
・CMSが何かわからない
・デザインにははお金をかけたくない
・希望デザインの資料は省庁系のやつでOK
・サーバー何使ってるかわからない
などなど…とくにCMSの説明にめっちゃ手間取りましたねー。「記事を更新するモノ」と言い換えて、ログインから記事の更新方法までマニュアルにしたものを作成しました。
これはまぁ極端な例ですが、「GA4で分析?よくわからん。訪問者の人数がわかればええんや!」とか、「なんかかっこいいサイト作ってくれ」など、おおよそ要望ともいえないものがポンポン飛び出してくるのは、相手がWEBのことを知らないからこそ、なのです。知らないからこそ依頼の方法がわからない、ともいえますね。
私がこのお客さまに発揮したホスピタリティは、1〜2週間おきに社長のところへノーパソ持参で出向き、隣に座ってひとつずつサイト更新のやり方やデザインの確認を行うことでした。(実際に更新する事務の方も一緒に講義を受けていただきました)
なんでそこまでしたかって?
その現場、ZOOMがNGだったんです。(社長がやり方わかんないっていうので)
ここまでやる必要は(普通は)ないでしょうが、結果的にこのお客さんはとても喜んでくれ、ほかの依頼やアップセルにつながりました。
客先に出向けるかどうかは予算や時間の都合で厳しい場合がほとんどですが、直接会うのは非常に喜ばれます。
このように、クライアントの性格、属性、経歴などさまざまな要素を見極めて、最適なディレクションをすることにより、お金では得ることのできない強固な信頼関係が生まれていきます。
ワイヤーフレームを提出しない!?新時代のディレクション
ここで、新しいホスピタリティの形だなと感動した伝説のセッションについて、ご紹介するとともに、新たなディレクションの形について考えていきましょう。
「朝までディレクションとか」「コンテンツ提案の極意」の内容を一部紹介
去る2024年6月14日(金)、ライブ同接11,139名、8時間を超える生配信!!というWEBディレクターの一大フェスティバルが開催されました。
それが、株式会社エンタミナの田口真行さんが主催となった「朝までディレクションとか」です。
また、同じく田口さん率いるエンタミナさんのイベントで「コンテンツ提案の極意」(6月26日)が開催されました。
んもぉぉぉぉ両方のイベントの濃厚さは!!!特濃という言葉じゃ語り尽くせません!!
WEBディレクターとして考えるべきこと、学んでおくべきことがさまざまなディレクターの目線から語られ、資料も本当に一つひとつ超優良級で、めちゃくちゃ勉強になりました。youtubeでのコメントしつつの参加もとっても楽しかったです!!
とくに「朝までディレクション」は8時間に及ぶ長時間生配信という偉業を達成しており、Xとyoutube同時接続1万人超えと、おそらく日本全国のWEBディレクター陣が見ていたと思います。
ここでその両イベントの詳しいレビューを書いちゃうと何万文字になるかわからないので、田口さんのセッション内容についてピックアップします。
そのセッションの中で、田口さんは画期的な提案をなさいました。
ワイヤーフレーム、お客さまに見せなくても良いのでは??
いやー。びっくりしましたよね。ワイヤーでの合意形成があって、初めてデザインに着手できるもの!!!とずーっと考えていた私にとって、眠気が吹き飛ぶセッションでした。(田口さんの出演は大トリ、明け方頃でした)
詳しくは、次の章でご説明します!
ワイヤーフレームをクライアントに提出しないってどゆこと?
そもそも、コンテンツ作成にはいくつかの作成順序があります。
まず、ワイヤー作成の前に情報を整理します。コンテンツとは、「誰に向けて」「何を目的にするか(どこに促すか)」という一連の流れがあります。
この、「誰?」という点は、詳しいペルソナを作成して想定ターゲットを設定します。これ、田口さんが配信で見せてくださったペルソナシートがあるんですが、私が普段使うものよりめっっっちゃ設定が細かいんです!!(あまりに有料級すぎるのでここでの掲載は遠慮させていただきます💦)
そして、このペルソナはコンテンツを組み立てる判断基準になるんですね。このペルソナから「ユーザーシナリオ」を描き、どのような情報がペルソナの心情と行動に影響を与えそうなのかを考えます。
そしてサイトに掲載するための「情報の洗い出し→絞り込み→優先度付け」を行い、ワイヤーフレームに落とし込みます。
この、ワイヤーフレームからのデザインに至る際、従来であれば「設計段階の合意形成」が行われるわけですが、ここでクライアントからのFIX(了承)を得ずに、そのままデザインすると、メリットが大きかったというのが田口さんの実践を伴った主張でした。
我々WEBディレクターは誰しもが経験することだと思いますが、ワイヤーフレームで合意をとったにも関わらず、提出されたデザインに対して「なぁーんか思ってたのと違うんだよねぇ」みたいな、奥歯ギリギリ噛み締めたくなるような、胃がキリキリ痛むような、ふんわりとした拒絶、みたいな言葉を投げつけられたこと、ありませんか???
納期、公開日は大体プロジェクトの最初に決まっており、絶対に動かせない場合がほとんどでしょう。それ故、二転三転を恐れるあまりにクライアントに何度も確認し、少しずつ進める。
しかし!!!考えてみてください。一流料理人が料理する際、調理工程でいちいち客に味見を求めますか?建築士が家を建てる際には設計図を作成しますが、それを見て完成された家を想像できますか???
つまり、WEBのプロではないお客さまにどれほど中間チェックしてもらっても、完成品は想像できないし、完成品(デザイン)の段階でしか良し悪しを判断できないのです。
これが、田口さんが提唱している「クライアントの「中間チェック」しすぎ問題」です。
WEBがわからないクライアントに中間結果を見せることで、逆に迷いやブレの原因にもなりえる、と田口さんは話してくださいました。
もう、これ、ほんっっとそう。首が3つくらいもげるほど頷きました。いくつかの私の過去の記事でも話してきましたが、デザインに正解はありません。その時々の最適解でしかないのです。
だからこそ、コンテンツの提案には提案者の熱意が必要だし、クライアントの共感を持たせることがプロジェクト推進には必要なんですね。
まさに冒頭で話した、「相互に支え合うことによる相互満足」なのです。知識やスキルだけでなく「共創」の精神が、仕事には必要なんです。
「WEBのプロ」としてのサービス提供とは
お客さまは、サイトにさまざまな期待を込めています。知名度をあげたい、お問い合わせを増やしたい、商品を販売したい。我々WEBディレクターに依頼をする際には大小なりとも期待が叶うことを想像しています。
サイト制作は、決して安い買い物ではありません。広告費用は安くなく、多くの人を動かし、多くの人の目に触れる。だからこそ失敗は許されません。
クライアントが納得するかどうか。それは、フロントに立っている人間への信頼感が大きいと思います。
「きみが言うならこれで行こう」をどう引き出すか。
目に見えない部分にこそ、サービスの本質的な価値があると私は考えています。
そして、そのような価値提供ができれば、販売する媒体が変化してもお客さまは途切れません。
AIやノーコードツールの台頭によって制作会社はなくなるのではないか?との不安の声も聞かれますが、制作するカタチが変わっても、あなたへの信頼という不可視の気持ちは、なくならないのです。
仕事は、人によって決まります。
デジタルとアナログの間にあるもの
信頼を勝ち得るというのは、とてもとても難しい課題です。
信頼を失うのは、いつも一瞬なのにね。
最新の情報、最先端のシステム。あふれる電子の情報世界に浸っていると、まるでこの1920px×1080pxの世界がすべてなような気がしてきます。会議するのもフルリモート。制作物は実際の手に触れることはなく、0と1ですべてが構築されていく。
私は、くだんのデジタル苦手社長に「きみに任せるから、いい感じに作ってよ!」と言わせるまで、片道1時間かけて毎週通っていました。その時にようやく気づいたのです。
WEBだって、人対人の世界だ。
人が悩み、迷い、そこに人が助け舟を出し、課題を解決していく。それは古来から続いたアナログな、人同士のつながりが生み出す共生の形です。
信頼を勝ち得るのは難しいですが、今一度その基本に立ち返って、WEBディレクションでのホスピタリティとは何かをあなたなりに考えてみませんか。そして、それをぜひ宮嶋に教えてください!
最後に、WEBディレクションを大いに盛り上げようとしている田口さん!!いろいろな資料をお借りしました!この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございます!!またセミナー開催された際はお邪魔させて頂きますね!!
それでは! ここまでお読み頂き、本当にありがとうございました。
また次のコラムでお会いしましょ〜!! 宮嶋ひなでした!!
コメント
コメント一覧 (4件)
サムネイルで笑いましたw
でも内容は超真面目で、とくに
「WEBだって、人対人の世界だ。」が刺さりました…!
田口さんのやつは僕も見てましたが
なかなか衝撃的な内容だったですね!
今度田口さんとも絡んでなんかやってみたいなー(独り言
サムネだんだんコツ掴んできました!!www
わーーーい嬉しい!!(´・_・`)
そうなんですよね、商売の基本は人です。信頼されるような人になれるよう、私も日々邁進します…!!
田口さんとのコラボ、めちゃくちゃ面白そうですよね…!!
考えたんですが、重鎮に逆にインタビューしに行くとか面白そうだなーと!!
人対人はなぜか置いてけぼりになりがちですがほんとにだいじなやーつですよね
お読みいただきありがとうございます!!✨
忙しいとついついおざなりになってしまう部分ですが、1番大切にしたい部分ですよね