ライターのみなさーん!!
ライターブームが落ち着き、一時のような「◯ヶ月であなたもライターに!」みたいな広告も少なくなってきた昨今。
ライター、続けていけそうですか? この先のキャリアに、不安はないですか?
今回は、ライターからWEBディレクターになった宮嶋ひなが、自身の経験も踏まえて「ライターからディレクターってどう就くの?」を解説します。
ライター業に悩んでいる方、ぜひひとつのキャリアパスとして考えてみてくださいね。
ライターとディレクターは何が違う?
二つの職の一番大きな違いは、クライアント(顧客、依頼人)と接することです。他にも、社内調整や社外への依頼など、プロジェクトを通してたくさんの人と接する仕事になります。
対してライターは、接する人はせいぜい担当編集者さんと経理担当(請求書の送り先さん)くらい。一人きりで完結していたライターとは異なり、対人スキルが必須になってくるのです。
「対人スキルとかコミュ力、別に高くないしな……つか、未経験でディレクターとか、そもそも受け入れてもらえんでしょ……」
そう思うのはちょっと早いです!!未経験ディレクターを受け入れている会社は思ったより多いです。というか、誰でも初めは未経験です。私ももちろん未経験ディレクターとして転職活動し、正社員に登用されました。
では次に、ディレクターになるための必要なスキルについて考えてみましょう。
ディレクターに必要なスキルとは
まず、ディレクターの主な仕事内容には、以下が挙げられます。
- 顧客折衝
- 企画・提案
- 制作の依頼・監督
- 見積もりや予算の管理
- サイトの運用・更新
他にも、小さな制作会社だとデザイナーやエンジニアを兼務する場合もあり(これはもともとデザインやプログラミングをやっていた方がディレクションも兼務している場合の方が多い)、多様な能力が求められる職業です。
ディレクターに求められるスキルは数多くありますが、基本的には以下のようなスキルを持っているのが好ましいです。
必要なスキル | 内容 |
ヒューマンスキル | コミュニケーション能力 ヒアリング 傾聴力 チームのマネジメント |
WEBの専門知識 | UI/UX デザインの基礎知識 アクセシビリティ プログラミングの基礎知識 CMSの基礎知識 サーバー関連の基礎知識 |
管理スキル | 進行管理 予算、見積管理 |
企画立案・提案 | 資料作成スキル プレゼンテーション 企画を考える、アピールする、遂行する |
課題を発見・解決する | 問題発見、解決能力 マーケティングの基礎知識 ユーザーの深層心理を理解する能力 |
情報収集 | トレンドを見つける能力 情報が正しいか判断する能力 |
「こんなにあんの無理じゃん?!」と思いますよね。私も無理だと思います。こんなん一人でぜーーーんぶできたら、神です。神ディレクターです。でも会社は神を求めてくる。厳しい!!!(;ω;)
いきなりすべての能力を一朝一夕に得ようとするのではなく、自分の得意分野を磨きつつ、一つひとつのスキルの平均点を徐々に底上げしていくイメージでしょうか。ともかくも、ディレクター業をこなしていけば、自然と……というか、必要に迫られて身に付くものも多いので、「これできないからディレクターになれない(;ω;)」と泣く必要はまったくありません!!!
焦らず、ライターをやっていた時と同じように「お客さんを大切に思う」気持ちさえあれば、オッケーです。やっていけます!!
ライターがディレクション業務に活かせる強みとは
ディレクターだからと言って、必ずしもクリエイティブができる方々ばかりではありません。制作をしたことがない!というディレクターさんも多くいらっしゃるので、ライターという「書く力」のあるライターさんがディレクションを行うのは強みがたくさんあります。
ライターさんがディレクション業務に活かせる強みはコチラ!!
・抽象的なことを言語化できる
・提案書・企画書のレベルを高められる
・サイトのボディ文を自分で書ける
・本来はライターに依頼する取材やコピーも自分で書ける
・構成作成により培われた情報収集能力
とくに、「抽象的なことを言語化できる」スキルはディレクター業務において大いに役立ちます。
ディレクターは、クライアントから出された課題(売上を上げたい、認知を拡大したい、問い合わせやPVを増やしたいなどなど)に対し、実現可能で効果的な施策を考え(=思考の具体化)、言葉によって制作チームを指揮しなければなりません。その際に、言語化できる能力は大いに助かります。
そう。ディレクターの仕事の本筋とは、「抽象を具体化する」ことなのです。
クライアントから依頼されたことを、ただそのまま製作陣に伝えるのはディレクターとは呼べません。製作陣が理解しやすいように、また、クライアントの本当に望んでいるものを理解し、作ってもらうためには、「なんかすっごいフワーッとしたあいまいな指示」を噛み砕いて、作りやすい指示にする必要があるのです。
意外と、ライターとディレクターって相性が良い職業なのでは?と思っています。
ライターからディレクターになるためには
では、具体的にライターからディレクターになる際のキャリアパスについてご提案なのですが、いきなりディレクター業を目指すのではなく、まずは「編集」業務を目指すことを強く強くおすすめします!!
前述のとおり、ディレクターにはありとあらゆる能力が求められます。その中でも、「チームをまとめて制作物を作り上げる」という進行管理、リーダー的役割は、実は編集部門でも同じことをしています。
さらに、ライターはコンテンツ制作には十分に慣れているでしょうから、そこから編集業務に移ることは、未経験から編集業務をするよりよっぽど簡単なのです。
「編集」やってみようぜ!
では具体的に、編集業務って何してるの?といったところですが、編集の主な仕事内容は以下の通りです。
- 記事の構成
- 記事の校正
- 記事の進捗・進行管理
- ライターさんへの仕事の割り振り
- ライターさんからの問い合わせ対応
- ライターさんへのフィードバック
- クライアント対応
- 新規企画立案
とくに「進行管理」と「ライターさんからの問い合わせ」は、けっこうディレクター職と似ています。編集も上位の方になっていくと、クライアント対応や企画立案など、ほぼディレクターと呼んで差し支えない内容も行います。
また、必要なスキルもディレクター業務と通ずる部分が多くあります。編集に必要なスキルと、ディレクターとの共通点は以下の表にまとめました。
編集に必要なスキル | ディレクターとの共通点 |
コミュニケーション能力 | ◯ |
情報収集能力 | ◯ |
文章力 | – |
チームマネジメント | ◯ |
顧客折衝 | ◯ |
スケジュール管理 | ◯ |
進捗・進行管理 | ◯ |
コンテンツの品質管理 | – |
編集はライティングしてきたことをより正確に(校正)、より幅広く担当する業務です。ライターとして一年以上、一定の収入を得られている、構成も担当したことがある場合には、編集業務へのスキルアップを検討するには十分な力がついていると思います。
「いきなりディレクターは自信ないな……」と思ったら、ぜひWEBの編集にチャレンジしてみてください。
編集には、派遣やアルバイトで未経験から始める、今所属しているライターチームの上司に掛け合ってみる、求人情報から契約社員や正社員として入ってみるなど、いろいろなルートが考えられます。短期間の派遣は、合わないなと思ったら継続をやめられるのも利点ですよ。
ライターはAIに仕事をとられる?
ライターだけで食べていきたい!
ライターとして、立場はさまざまあれど、書くことが好きならそのように考えるのは自然なことです。私も、可能ならライターだけで食べていけるほど稼ぎたかった。もちろん、ライティングのみで生計をたてている人はいらっしゃいますが、全体数としてはとても少ないのが現実です。
また、昨今ではchatGPTなどのAIの発達により、少しずつ人が書くことが減ってきています。実際に、いわゆる「コタツ記事」などと呼ばれる「定型文が多く、情報を集めて書くSEO記事」は、使い方によってはGPTがかなり良い精度で書いてくれるようになりました。
同様に、構成やリライトも成果物の質が高くなっており、5,000文字の記事を30分未満で書き上げてきます。この速さに、人間は到底勝てません。
反対に、AIの台頭によって記事を校正・監督できる編集者の需要は増えてきていると実感しています。
ライターも、編集者も、急に需要が増えたり減ったりすることはありませんが、流れの早いWEB業界において何も対策をせずに流れに身を任せるのは、非常に危険だと思っています。気づいたら自分の仕事がなくなっていた、なんてこともあるかもしれません。
編集技術も、校正できる日本語力も、一日や二日では身につけられない高度なスキルです。せっかく、ライターであるあなたが「書くことが好き!」と始めた職業なら、もっと可能性を広げてみませんか。チャレンジすることはタダです。向いていないとわかったら、別の道を探せば良いし、少しでも向いていたならラッキーです。そのチャレンジは、あなたの収入を大きくアップさせてくれるでしょう。
なぜディレクター職がおすすめなの?
現在、ライターを取り巻く環境は厳しさを増す一方です。低い文字単価、あふれる駆け出しライター、台頭するAI。まとめ記事のような、どこかで読んだことのある記事の制作単価は、一昔前と比べると驚くほど低単価になってしまいました。
WEBの仕事を始めたい!と思った時、ライティングはパソコンだけで始められる仕事として人気です。時間の都合が取りづらいママさんやフリーランス、副業を望む人にとって、最適な仕事とすら思います。
WEB業界は驚くほどの速度で変化をしていく業界です。新しい技術や知識が次々に生まれていきます。そんな中で、ずっと同じ知識、同じスキルのまま仕事をこなしていくのは、難しくなるでしょう。
ディレクターは、すべての人に向いている職業ではありません。社交的ではない人にはおすすめしにくい分野です。しかし、制作の全体像を知り、編集のさらに先、依頼してきたクライアントや、その先にいるユーザー(読み手)を知ることは、ライター人生にとってもプラスになるのです。
このコラムを読んで、少しでも「やってみよう」と思えたなら、ぜひチャレンジしてみて欲しいと思います。
あなたの人生が、よりよく輝きますように。
それでは、また次のコラムで。宮嶋ひなでした。
コメント
コメント一覧 (3件)
第二弾!!!!
ありがとうございます!
さすがライター出身のひなさんですね!
引き続きコラム楽しみにしてます(ゝω∂)b
めっちゃためになる記事でした!文章も読みやすくて内容も文章そのものも勉強になりました!(゜o゜;
ありがとうございます!!!✨
文章が勉強になるっていただけるのめちゃくちゃ新鮮で嬉しいですね
ご感想まじで書く励みになります!(’︶’)✐✧