ちわっす僕です。
実は私事ですが2025年4月中に法人化いたします(何も問題が起きなければ)
当コミュニティの動きをもっと活発化したいと思っていますので、
引き続きみなさん応援よろしくお願いいたします(`・ω・´)b
さて、本日はお客様からよく聞くあのフレーズ、そう『○○って要望が出てるんで、対応お願いします』について、それって本当に要望なのか?っていうことを解説したいと思います。
本当に言われたとおりに作っていいのか?
その疑問を検証するべく、我々はアマゾンの奥地へと歩みを進めました((( ‘ω’)
言葉は“ヒント”でしかない
たとえば「入力フォームをもっと簡単に登録できるようにしたい」って言われたとき、それが「送信ボタンが分かりづらい」って意味なのか、「入力項目を減らしてほしい」ってことなのか、「入力ミスの箇所と原因が分からない」ことなのかで全然意味も解決方法も変わってきちゃいますよね。
色々なことが考えられますよね↓

こういうのを見極めるには、言葉だけじゃ圧倒的に足りなくて、そう感じた背景を深ぼって聞かないといけないんです。
あと、できれば画面に映してもらいながらヒアリングしたい
先に挙げたフォームの例でいうと、なぜそう感じたのか?実際に画面を操作しているところを見せてもらいながらヒアリングすると非常に効果的です。
もしかしたらフォームが悪いのではなく、直前までの導線が複雑で既にストレスが溜まっている状態なのか、環境が原因でレイアウトが崩れているだけなのか、スマートフォンの話なのか、読み込み速度の問題なのか、など言葉だけだと気づかない点があるので実際に画面を見せてもらいながらどういう部分に不満を感じているのか観察できるとかなりよいです。
ヒアリングは答え合わせではない
ヒアリング=「本音を聞き出すこと」みたいなイメージがありますが、実際はそんなことないです(自戒も込めて)
実際やってみると「本音」なんてそんな簡単に出てこないですし、お客様(orユーザー)本人も気づいてなかったりします。だから表面的な言葉を真に受けすぎずに
みたいなところを確認しながら読み取るのが非常に重要です。
「ヒアリング(聞く)」というより「探る」というのが感覚的には正しいのかもしれないです。
もっといえば“答え”を求めすぎるのはNG
たとえば「どんな機能がほしいですか?」「何があればもっと使いたいですか?」「こういうのがあったら便利だと思いませんか?」などグイグイ聞くのは割と危険なのでお勧めしません。
なぜ危険か?それは答えを求めすぎるとこんなやりとりになりがちだからです。

今のサイト、登録作業をするときにわざわざ『登録』を押さないといけないじゃないですか?



こういう操作って煩わしいと思うので「自動的に反映」される仕組みをいれませんか?あったら便利だと思いませんか?



あー、たしかにいいですね。あったら便利そうです。



やっぱり!さすが俺!思った通りだ!お客様もいい反応だし!これは効果が期待できそうだ!



承知いたしました!それでは実装させていただきます!
みなさん、こういったやりとり身に覚えはありませんか?
僕はあります(涙)
さて、具体的にどこが問題だったでしょうか?
それは
ヒアリングといいつつ実際は誘導尋問になっていないか?確証バイアスはかかっていないか?
先ほどのヒアリング例で問題だったシーンを解説します。
それはここです!(赤字部分)



今のサイト、登録作業をするときにわざわざ『登録』を押さないといけないじゃないですか?



こういう操作って煩わしいと思うので「自動的に反映」される仕組みをいれませんか?あったら便利だと思いませんか?



あー、たしかにいいですね。あったら便利そうです。



やっぱり!さすが俺!思った通りだ!お客様もいい反応だし!これは効果が期待できそうだ!
これ完全に誘導尋問になっているんですよね。
とくに「あったら便利だと思いませんか?」といった質問。そりゃ「どっちかというと」「あったら便利」なので『Yes』を反応してもらいやすい聞き方になっちゃっているんですよね。
お互いの心の声↓



こういう操作って煩わしいと思うので「自動的に反映」される仕組みをいれませんか?あったら便利だと思いませんか?(便利で間違いない!便利って言え!)



あー、たしかにいいですね。あったら便利そうです。(まぁあれば便利かもなー、強いて言えばだけど)
もうある程度、回答内容が見え透いている状態で誘導尋問をしちゃっているんです。もう自分が望んだ回答が聞きたくて聞きたくてしかたない。そんなコミュニケーションになっています。
ちなみに調べてみたらこういうのを『確証バイアス』って呼ぶらしいです。
確証バイアスとは、自分がもっている偏った考え方や思い込みを正当化しようとする行動をとろうとする状態のことです。自分に都合が良い情報だけを収集し、不利な情報に目が向かなくなってしまう。このような状態は、確証バイアスに陥っている可能性があります。
出典:【具体例あり】確証バイアスとは?発生原因から弊害、対策を解説
危険ですね。聞き方は気を付けましょう。(自戒も込めて)
では、どういうヒアリングの仕方が望ましかったのか2つ解説します。
①本当にそれは効果的?求めてる?欲しいと感じたことってあるの?
「あれば使いたいかも」「たしかに便利そうですね」



あー、たしかにいいですね。あったら便利そうです。
などといった言葉。聞いたら鵜呑みしないようにしましょう。言われたら必ず「それが必要になることって本当にあるのか?」「どの程度の頻度で必要になることがあるのか」を確認するようにしましょう。
「年に数回程度、必要になったことがある」だけだったらそれは本当の要望とは言えないですよね。おそらく他に予算をかけるべき場所があるはずです。
ポイント①
実際にそれが必要になるシーンって過去にあったのか?その頻度は?を必ずヒアリングするようにしましょう。
②その問題(不便さ)を今までどういう風に解決していた?
次に今まで我慢していた問題や不便さをどのようにして解決(代替)していたのかヒアリングするようにしましょう。
・導線が複雑だった → 必要なページをブックマークして導線に頼らないようにしていた
・画面を跨ぐのが面倒だった → デュアルモニターを駆使して対応していた
・どこに欲しいコンテンツがあるか探しづらかった → サイト内の検索機能ではなくGoogleの自然検索を頼っていた
・翻訳が正しくなかった → Deeplなど外部ツールを頼っていた
・サイト内のコンテンツが難解だった → AIに要約してもらっていた
そのヒアリングからコンテンツの作成、修正、統合、削除、機能開発など、より適切な対応を見出すことができるかもしれません。
ポイント②
今まで問題(不満)に感じていたポイントをどのようにして解決(代替)していたのか。ヒアリングするようにしましょう。
意識したヒアリングをするとこんな感じになります



今のサイト、いくつか気になるポイントがあるのですが、その前に既に感じている問題点とか改善してほしいポイントってございますか?



あー、それでいうとユーザーが登録作業を行うときに煩わしいって要望がきてますね



煩わしい?なるほど。その登録作業って○○のことであってますか?少し深ぼって聞きたいのですが、そのユーザーってどういう役職になりますか?エンジニアとかマネージャーとかいると思うのですが



主にエンジニアになります



なるほど。ありがとうございます。単純にユーザーに求める操作の頻度が多くなりすぎているのか、あるいはインターフェースが分かりづらいだけなのか、業務フローとマッチしていないのか、など考えられるポイントがあるので我々のほうでも再度デザインを確認してまいります。



…可能であればそのエンジニアの方に実際にどの部分が『煩わしい』と感じたのか、差し支えなければ画面を映しながら確認させていただきたいのですが、そういうのは可能でしょうか…?
と、こんな感じです。
(実際にはもうちょっと複雑な感じになると思いますがイメージとして参考に)
この場にエンジニアはいないのですが、おそらくレイアウトやインターフェースの問題、あるいはラベルの問題、作業毎にシステム側から要求される作業頻度が多すぎる問題、全部一括で登録保存したいだけなのか?あるいはそれ以外の問題なのか、などいずれかでしょう。
ただ、このタイミングで断定して動くのではなく、実際にエンジニアに聞けるとより精度の高い提案が行えるので『エンジニアに会えないか、聞きたいです』といった場を設けてもらいたいという風に提案してみました。
参考になりましたら幸いです👍
さいごに
いかがでしたでしょうか?
僕自身まだまだ勉強中の身ではありますが、参考になりましたら嬉しいです(`・ω・´)b
勉強になったぜ!という方はぜひXなどで拡散お願いします!
4月になって新人も増えたと思うので教育などにもお役立てください!では👋
あわせて参考になれば幸いです↓

