コラム43:生成AI「刃」の時代に、私たちがすべきこと

ども!宮嶋ひなです!!

生成AI、使ってますか??

WEBの世界に身を置いている我々にとって、日々進化を続けるAIのことは大なり小なりお耳に入ってきていることかと思います。

その進化スピードはめざましく、さまざまなサービスが生まれ、実際に現場でも利用し始められています。人の作業がラクになるならありがたい!!

しかし一方で、「生成AIって大丈夫なの?」「ファクトが取れないから使えない」「AI反対!」のような不安の声も聞こえるのが実態です。

今回は生成AIをテーマに、何が不安なのか?生成AIは悪者なのか??を考えてみたいと思います!(`・ω・´)b

目次

生成AIは人類の脅威なのか?

生成AI(Generative AI)は「機械学習モデル」と呼ばれ、たくさんの学習モデルを自分で学び、コンテンツ(文章、イラスト、音楽、動画などなど)を作り出してくれるAIさんです。

この生成AIにはChat GPTをはじめ、いろーーーーんな種類が登場しております。

・Midjourney.
・DALL-E
・suno AI
・LumaAI
・Gemini
 …ナド

人が生み出した作品を学び、人のために生み出す。この生成AIは、一見、人の新たな可能性を作り出しているように思えます。

しかし!!生成AIにも問題点がいくつか出てきました。主には、以下の点です。

  1. 著作権や商標権の侵害リスク
  2. 情報漏洩リスク
  3. プロンプトが難しい
  4. ハルシネーション(誤情報リスク)
  5. 人の仕事を奪う

昨今、大きな問題になっているのは1番と5番ではないでしょうか。

とくに、WEBのライター、イラストレーター、コーダーなどは生成AIの影響をモロに受けているのではないかな?と思います。私もフリーランスのライターなので、AIの影響をヒシヒシと感じ、もはや無視できない領域にきているな、と実感しました。

職業別には、次回のコラム「生成AIに仕事が奪われる!?職業別の懸念点を洗い出せ!」で、生成AIのどのような部分が仕事に影響があり、どのような対策をすべきなのか?をお伝えしたいと思います!

生成AI、とっても便利なんですが、学習をさせるためには「誰かの作品を学習させる」必要があります。この方法がやっかいなんですよね。

たとえば、イラストレーターの方だと「勝手にAIに学習させないでください!」と、はっきりNOを主張している方もいらっしゃいます。また、ライター業では「AIを見分けるAI」などを使い、「生成AIを使用した記事の作成はNG」を出しているクライアントさんもいます。

え。生成AIって、ヤバいんすか?敵なの???

ちょっと待ったーーーー!!!!!

新しい技術のデメリットや不安ばかりに目を向けるのは、新しい時代に背を向けることと同じです。何がダメで、何に気をつけるべきなのか。一緒に考えてみましょう!!

コンピュータと人を隔てるもの

そもそも!!!生成AIそのものが悪いのではありません。

AIを善にも悪にもするのは「使う人間のモラル」です。

イラストでいえば、無断で自身のイラストをAIに学習され、酷似したイラストを見かけて憤慨する方がいらっしゃいます。それは当然のことです。

とてつもない時間をかけて練習を積み、長い時間と手間をかけて描き上げた作品を勝手に学習され、そっくりの絵柄を無尽蔵に生み出されては、納得できませんよね。

さらには、固有の絵柄ばかりAIに学習させ、「◯◯さんの絵柄のように抽出して」という使われ方をされれば、それは絵の無断使用、盗用と変わりません作者さんの想定していた絵の使われ方ではなく、許可も出していないとなれば、AIを拒否する気持ちは十分に理解できます。

しかし、今の生成AIは特定のイラストのみを学習しておらず、インターネット上に公開されている、ありとあらゆる絵柄を無作為に収集しています。

そうなってくると、「私の絵柄をパクった!」と主張するには根拠が曖昧になってしまい、絶対に生成AIに学習させたくない!となれば複数の透かしを入れたり(それも完璧ではないですが)、究極的にはアナログのみで発表するしかないのではないか、と考えます。

私は、イラストのみならず生成AIで作成したものは「これはAIを使いました」と明記し、人が作ったものと明確に区別するべきだと思います。

生成AIにプロンプトを書いてその成果物を得るのは、「文章を書いた」「絵を描いた」とは呼べません。

創作物は、人の手を介して、人が責任を負ってはじめて「つくった」と言えるのです。

「本質」を見極める

未来のことを予想するためには、仕事や業務内容の「本質」を考えるべきだと思います。

たとえば、壁画は最古の漫画です。効果線もセリフもありませんが、『自分が見てきたもの・感じたもの・誰かと思いを共有したいものを、絵に託して誰かに伝えようとする』という本質の前には、壁画もデジタル絵も同じだといえます。

WEB制作も同じです。課題を抱えたお客さまは、WEBで問題解決をしたいわけではありません。現在、老若男女がほぼ毎日見ている媒体がWEB(SNS・WEBサイト・WEB広告)であり、その世界でビジネスが生まれているから活用しているに過ぎないのです。

事実、あれほどテレビ広告が盛り上がっていた時代から、ネットや各種SNSの台頭により、YouTubeやTikTok、InstagramやLINEでの広告運用は無視できないほど市場が拡大しました。

同じく、WEBによるマーケティング戦略も、ネットの普及によってさまざまな手法が生み出され、今やマーケティング効果はテレビCMを追い抜くほどです。

下記の表は、電通が2024年2月に発表した「日本の広告費(2023年)」ですが、すでに2021年時点でマスコミ四媒体(新聞・雑誌・ラジオ・マスメディア)はインターネット広告に費用面で追い抜かされていることがわかります。

参考:2023年 日本の広告費|電通

参考文献:​なぜ若者の「テレビ離れ」は止まらないのか…テレビとネットの力関係が逆転した根本原因|PRESIDENT Online

ただし、このような推移もただ単に「テレビ業界がオワコン」と見るのではなく、「広告手法が変化しただけであって、未だに広告という手法自体は巨額の資金を投じるほど効果がある」と見るべきです。

大切なのは表現方法の模索であり、広告そのものを否定することではありません。そのためにAIが活用できるのならすべきであり、生成AIそのものを否定する必要はないのです。

基本!基本!!基本!!!

何においても、基本は大事!!!

世阿弥=サンも「初心忘るべからず」って言ってるじゃないですか!??

どの職種においても、いわゆる「下流の仕事」を理解しているかどうかで、その職業に対する解像度と「生き残りの時間」は段違いに変わると感じています。

表現しやすいので、またイラストの話になりますが、線画抽出AIが出たからといって「じゃあ線画の練習やーめよ」と認識してはいけません。

線画での線の入り抜きひとつで絵全体の印象はグンと変わりますし、線画を描けないままAI任せに依存してしまうと、自分の美しさの基準がわからなくなります。

ライターだって同じです。いくらChat GPTに記事の構成や本文執筆を手伝ってもらっても、それが正しく読者に伝わる表現なのかどうかを判断できる基本のチカラを持っていなければ、恐ろしく論理が破綻した、日本語表現が美しくない記事を量産しかねません。

コーディングも同様です。コードを理解する基礎知識がなければ、利用しているノーコードツール会社が潰れた時、サイトの引っ越しもできません。そもそも、コードを理解しないままノーコードツールを使っても、テンプレートを利用して他社と似たようなサイトを作ることしかできないかもしれません。

AI(道具)に依存した瞬間、人は個性と価値を失うのです。

AIだって、表現するためのひとつの相棒にしかすぎません。

AIを使いこなせる側か、AIに使われる側か。その違いは、基礎力の違いだと思います。

生成AIに著作権はあるの??

あなたは、生成AIが生み出した成果物に著作権は発生すると思いますか?

結論から言えば、

プロンプトを指定してAIが生み出しただけのもの(生成AI純度100%)には、今現状では著作権は認められていません。

『知的財産戦略本部 検証・評価・企画委員会 新たな情報財検討委員会』が平成29年3月に発表した下記の資料において、AIを創作のアイデアや道具として使用し、人の手が入れば、著作物性が認められるという知見を発表しました。

コンピュータ・システムを利用して創作したコンピュータ創作物について、人間による「創作意図」72と創作過程において具体的な結果を得るための「創作的寄与」があればコンピュータを道具として創作したものとして著作物性が肯定されるとした。

新たな情報財検討委員会報告書-データ・人工知能(AI)の利活用促進による産業競争力強化の基盤となる知財システムの構築に向けて-

人の手が入るからこそ、創作物は創作たりえる。AI時代に考えるべきなのは、AIを差別することではなく、生成AIとの区別化をすることなのです。

参考:AIが生成した文章やイラストの著作権はどうなる?著作権侵害にあたるか、弁護士が解説!

生成AI「刃」の時代に、私たちが考えるべきこと

生成AIは、今はまだ抜き身の刃の状態です。

刃は、芸術家が振るえば美しい彫刻を作り出すことができる「彫刻刀」にもなりますが、むやみに振り回せば他者を傷つける「凶器」にもなりかねません。

事実、未だAI関連をどうするのかの法整備も間に合っておらず、どのような柄をつけるかは、これからの私たち次第です。

人間がここまで生き残ってこられたのは、時代や環境に適応する柔軟性、適応力があったためです。厳しい北極や南極で過ごしていられる人間なら、この「刃」の時代にもいつか答えが出てくるはずです。

それは、みんなが納得できるものではないかもしれない。それでも、どのような答えが出てきても受け入れる準備はしておくべきだと思います。

宮嶋は、生成AIは成果物に対して楽をするのではなく、工程に対して楽(効率化)することが良いと考えています。

人がやる仕事はこれから、責任をとることや、確認をとることなど、実は地味になっていくのではないかと思っています。しかし、その「地味」には需要が必ずあります。

「責任」が取れる領分にしか、人間としての需要は生まれないのではないでしょうか。そしてその領域に達するには、下流から上流まで理解している必要があります。そうでなければ対応ができない(=責任が取れない)ことになってしまいます。

生成AIは、まだ走り始めたばかりです。しかし、その成長速度は異様です。

振り落とされないよう情報を集めつつ、しっかりついていきたいと思います!!!

3カラム専門のデザイン集作ったのでちょっと立ち寄ってみて

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コラムメンバー✍

さすらいのフリーライター・WEBディレクター。
取材とキャッチコピー作りが好きです。
抽象を具体化、言語化し、言葉によるデザインを構築します。
体内はゲーム実況と紅茶とケーキで構成されています。

コメント

コメント一覧 (4件)

  • またまた執筆ありがとうございます~!!
    今回は生成AIっすね。なにかと話題なのでHOTな記事で

    僕はまだまだ使いこなせていないので
    これを機に業務にどんどん落とし込んで
    効率を爆上げしていきます(`・ω・´)b

    • 生成AI、まだまだルールなど整備されていない分野ですが、間違いなくめちゃくちゃ便利です!(๑•̀ㅁ•́ฅ✨
      正直、Webディレクターが活用できそうなAIてあんまり思いつかないんですよね…(次のコラムのネタなのに!笑)
      次のコラムもがんばりまっす(ง ˙˘˙ )ว

  • 宮嶋さんの文章はテンポが良くて読みやすいです(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)

    • さいとぅーさん!!( ;꒳​; )✨ありがとうございます!!!
      文章のテンポ感、単語選びのリズム感は昔からけっこう気をつけていたので、そう読み取っていただけるのめちゃくちゃ嬉しいです〜!!
      ふだんはtoBの真面目な記事ばかり書いてるので、コラムで自由にイキイキ書く楽しさに目覚めてしまいました✨(笑)

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